調理師になるには

美味しく見た目にも美しい料理で食べる人の心を魅了する調理師。
活躍の場も広い調理師はこれからも廃ることがない職種として紹介できる1つですが、調理師になるにはどのようにしたら良いか知っていましたか?
今回は、調理師になるためにはどのような方法があるか詳しくご紹介します。

■「調理師」は誰でも名乗れるわけじゃない
調理師という名称は「名称独占資格」で、資格を持っていないと、「調理師」という名前を使ってはいけないと決められているのです。
医師や美容師など、資格を持っていないと仕事をしてはいけない「業務独占資格」ではないので、資格を持っていなくても調理の仕事をすることは可能です。

■調理師免許は必要か?
調理の仕事をする上で必ずしも調理師免許が必要というわけではありません。前述のとおり、資格を持っていなくても調理の仕事をすることは可能です。
しかし、調理師免許は「調理に関する知識を取得している証明」になります。
また、将来自分のお店を開業する時に必要となる「食品衛生責任者」の資格を講習会受講することなく、申請のみで取ることができるのでバタバタしがちな準備もスムーズになります。
特に開業を考えていなくても転職の際にアピールできるポイントの1つになりますので、取得しておいて損はありません。

■調理師資格を取得して「調理師」になるための進路
調理師になるには、大きく分けて以下の2つの方法があります。
①飲食店等で働きながら2年以上実務経験を経て、調理師試験に合格する方法
②調理師学校で1年以上勉強して卒業する方法
それぞれ詳細を見ていきましょう。

その①:飲食店等で働きながら2年以上実務経験を経て、調理師試験に合格する方法
こちらは、自分が希望する飲食店等で2年以上調理に関わる実務を経た後、調理師試験に合格するという方法です。食堂や飲食店、給食施設といった調理業務に関わる業務に2年以上携わっていれば調理師試験を受けることができます。
試験は食文化論、衛生法規、公衆衛生学、栄養学、食品学、食品衛生学、調理理論の中から出題され、試験の合格率は60%前後と言われています。
実務経験を早くから積むことができるので、働く環境やがんばりによっては人より早く活躍できることもありますが、働きながら調理師試験の対策も必要になるため、時間の確保が大変だと感じる人も多いようです。

その②:調理師学校で1年以上勉強して卒業する方法
厚生労働大臣が指定する調理師養成施設などで調理師の知識や技術を1年以上勉強します。調理師学校を卒業すれば晴れて調理師の免許を申請・取得できます。ただ、就職した後すぐに包丁を握り活躍できるという訳ではありません。実務経験のない場合はどのお店でも下処理や雑用をこなしながら実際に働く現場で経験を積んでいくことになります。
現在、調理師を目指している人の多くは、調理師免許を取得できる専門学校を卒業して就職する、この方法を選んでいる人が多い傾向にあります。

■実務経験を経て調理師試験合格後、調理師になるメリット
続いて実務経験を経て調理師試験に合格後、調理師になるメリットは、以下の通りです。
・すでに実務経験を積んでいるため即戦力になれる
・現場でしか分からないことを把握できる
実務経験を経て調理師になると実務経験を2年以上積んでいるので、就職先でもすぐに対応が可能な点が大きなメリットです。現場での経験が活かせるので、実際に働いてからでないとわからないことを把握しているというのは大きいです。
初心者であれば、実務経験を積む就職先の指導者の力量が大きく左右するため、運次第と言えるかもしれません。

■専門学校で学ぶメリット
調理師専門学校で学ぶメリットは、大きく分けて以下の4つです。

・卒業と同時に調理師免許取得ができる
・就職先を斡旋してもらえる
・仲間と切磋琢磨できる
・知識や技術を1から学べる

調理師専門学校で学ぶ大きなメリットは、やはり学校卒業時に調理師免許が取得できることです。調理師専門学校で学んだこと自体が証明となり調理師試験をパスできるので、試験対策の勉強を確保する必要もありません。
また、就職先を専門学校が紹介してくれるので1から自分で就職先を探す心配がいりません。サポートが手厚い学校も多いので、自分の希望に合った就職先を見つけやすくなっています。
在学中に同じ志を持つ仲間と共に学べる所も大きな魅力です。料理のジャンルは違えど目標が同じ仲間だからこそ共有できる悩みや相談もありますし、卒業後は一生ものの仲間となります。
調理師になるには調理に関する知識や技術が必要不可欠ですが、独学だとどうしても学べるものに偏りや限りが出てきます。専門学校であれば、1から調理のイロハを学べるので、初心者であっても心配する必要がありません。
その道の第一線で活躍するプロの講師から学べる学校も多く、最先端や高い技術を間近で体感できるのも、調理師として大きなものとなります。

■まとめ
調理師についてと、調理師になるための方法をご紹介しました。
それぞれのメリットやデメリットを比較して、自分に合った方法を選ぶ事が大切です。